あー。マイクてす、てす。これ、もう入ってます?大丈夫?で…え、もう録音してる?ご、ごめんなさい。えっと、ええと。さ、サイコメトリクスという超能力のジャンルがあること、知っていますか? ...
第二十四幕/『千年の記憶』
「植物には、常に微弱な電流が流れています。」 教授は白衣のポケットに手を突っ込んだまま、記者たちの方へくるり、と向き直った。 「ほう。それが今回の研究の成果ですか」メモを取りながら一人の記者が顔も上げずに質問した。 ...
第二十三幕/『当番』
「よう。お役目、お疲れさん。今度のお役目は大変だったなあ。」 俺は半月ぶりに会社に出てきた同僚を休憩スペースで見つけると、開口一番そうねぎらった。彼は見るからに疲れ切っている様子だったからだ。 ...
第二十一幕/『ミクロの決死圏』
「…自殺なのは間違いないです…。僕の目の前で⋯篠崎はあれを」と、研究員は視線を部屋の隅に向けてから「あ」と思い出した。そこにあった筈の薬品が入ったペットボトルは証拠品としてとうに鑑識係が持ち去っていたからだ。 ...